進化

倒れた碑・コミュニティ・表現型可塑性

道端の碑が倒れていた*1。1月1日の地震のためと思われた。側面には明治三十九年と読めるので、1906年、118年前に建てられたもののようだ。記念それとも祈念のために建てたのだろう*2 。 記憶の保持と伝承が、碑をつくる目的の一つだろう。コミュニティの共…

だれもみたことのない景色

Nくんは友人を連れて岩を登りに行くのである。30mといえば建物の何階ぐらいであろうか、それを登るのである。考えただけで危なそうであるが、再現性の高い確立された技術を利用して安全に登るのだという。それはいわゆるアドベンチャーだろうし、その結果に…

頭が上がらない

スクリプトを作っていた。骨格を作り終えて*1、計算させたが、エラーがでて走らない。最初は思いつくままに手を入れたが直らないので、結局それぞれのステップを一つづつチェックし、問題箇所を特定した*2。解決を試みたが上手くいかず、一週間経った。 一晩…

区切りの向こう

いろいろな節目があるのだが、そのなかでも一つの区切りになった気分。けれども翌日には次の解析を始めて、その向こうの区切りのありかを探っていたりする。次の区切りにたどり着くのはxxxxの頃かな?もっと時間がかかるかな?そこで見える景色はどんなもの…

NetLogo workshop

毎年、大学院で個体基盤型モデルとNetLogoの選択授業を開いています。今年は工学系の博士課程の二人が選択したので、ワークショップをしました。

冷たい雨の翌日

Tさんの原稿もまとまりそうなので、解析を再開しようかな。

曲がっている

時間をかけて考えると、思ってもいなかった解釈に気づき、新しいアイデアにたどりつくが、振り返ると、単純さに驚く。それは、普段に考えているスジが真っ直ぐではなく、曲がっているためである*1。 *1:それに、また、気づかされた自分を見つめる。

次はなにか

4年ぶりにメインの学会にいった*1。春に参加したのは方法論に基盤をおいた100年以上続いている伝統的なhard-wiredな学会*2なのに比べて、これは学際的な学会だ。中心的なテーマは移り変わっていく。勃興*3・興隆*4・応用*5のヒトの一生のような経過をたどる…

カワイイ

研究室配属で私達のラボに通っているK君はPythonを使うことができる。手作業で長い時間と労力をかけていたデータ処理を頼んでみた。headlessの方法はうまく行かずに苦労していたので、思いつきでGUIを動かしてみたらと言ったら、彼はスクリプトを一日で作っ…

後から調べてやり直す

一台のマシンで複数のRを並行して立ち上げて、nlrxスクリプトを走らせたときに、何食わぬ様子でファイル作製をスキップしたり、これまたRを閉じたりする、理由はなんだろう? CPUやメモリーの使用率のオシレーションが加算されて、たまたまのタイミングで100…

開始

解と対応する戦略が生じるか確かめるために、nlrxスクリプトを96個作り、5台使ってパラレルに走らせることをはじめた。

「何を明らかにするために、何をするのか」

いつも使っているエディタ*1がChatGPTインターフェースを内蔵するようなったことは知っていたが、適当に遊ぶ以外には触っていなかった。ふと思いついてスクリプトを書くときに聞いてみたら、あっという間にやってしまった。 これまで、(1)検索ウィンドウ…

少ない資源

資源が少ないときは,目の前の生存機会を獲得することに寄与する形質が,個体の適応度の増大に寄与する割合が大きいと考えられる.そのときに環境の変化に対応する形質(表現型可塑性)のコストを払うことは負担になり適応度の増大に寄与しない,ということ…

基本的なポイント

実習が終わった後に,しばらく前に思いついたアイデアでスクリプトを作り,行ったり来たりしながらおおよそこれで良いか!と力んだ所で,前提の間違いを指摘され,やりなおし. 期待していただけに落胆もあり,失った時間が重くなるかどうかは,これから次第…

データ処理の自動化

大量のファイルと図に埋もれそうになっていたので、その処理を自動化しようと、pythonに手を出したが、行き詰まった。「Rだけでできるんじゃね?」と思い、やり直したら、できた。手間取ったけどね。

適応戦略として「空気を読む」について

実習の作業をしている合間に,「空気を読む」ことについて雑談したことが,気にかかっていた.いつの頃からなのだろうか,そんな表現を使うようになった. 環境の下での,現象の頻度が増えてそれを表現する機会が増えたので,それに当てはめる言葉が使われる…

大量のファイルと図に埋もれそうになる

作成した大量のファイルを解析した結果,大量の図ができあがる.それをまとめる手間が著しく多くなってしまい,このところ,pdfから図を検索してコピーして並べる機械の様に作業をしている.これではいけないので,自動化しようと思う*1. *1:https://rollin…

遅いけれど強い

nlrxのスクリプトの骨格は直ぐに書けたが,短時間で多くの計算をするための工夫に少し時間を使った.小規模の計算で作られるテストファイルを処理するスクリプトのドラフトを書き,直し直して単純にするのに時間を費やした.おそらくこれでよい*1.3月から走…

作業仮説の棄却

二ヶ月かかった計算の結果,山ほどできたグラフは,作業仮説が誤っていることを示していた. 最初に戻って,一つずつ洗い出して,代替仮説を作った.それを検討する為の,計算の道筋を考えて,Netlogoのプログラムを書きなおした.少しとまどったが,金曜の…

危険を回避

毎日毎日計算三昧である.ファイルを1つずつ探りながら作っていた頃に比べて,多少慣れてきて,ひとつのスクリプトで網羅的な計算をするので,スクリプトは長くなり,計算時間がどんどんと延びがちである.今回,やっと終わった計算には2週間を要した.それ…

IBM, PIP, ESS

Netlogoを利用したindividual-based model (IBM) を使って適応度地形を作り終えてから,次の段階はPairwise invasibility plot (PIP) と思っていたが,一ヶ月かかってもモデルが完成しない.もう一ヶ月かかって,やっとなんとかそれらしいモデルができたが,…

コードを書こう

Netlogo*1を使って,agent-based modelのプログラムを作り,PIP (Pairwise invasibility plot) *2を確率的に描こうとしているのだが,Yさんに聞くところによると,そんなヒトはいないらしい*3.そんなわけで,コードの書き方に苦労している.調べたり,考え…

ケアレスミス

結果を整理していたら,論点をみつけて,一文を考察に加えた.アイデアを一晩寝かした後に,プログラムに要素を足して,nlrxに流し込んだら,オートマティックにデータを得て,それを比較すれば検証が終わることに気づいて,プログラムを書いた. 散歩をした…

先に進む

スクリプトの不要な部分を取り除き,新しい機能を書き足して,次の実験の準備を始めたがうまく走らず,試行錯誤をして解決策を見つける過程で,出発点にある一般的なスクリプトの前提に従って,新しい実験を進めていいものかを確かめる必要に気付いた.問題…

査読・〆切・ライフハック

10数年前に当時の大学院生と行った実験について書いた論文がある.それを引用した論文原稿の査読の依頼が回ってきて,懐かしい気持ちになった.隅々まで読んでreviewを作り,〆切前にアップロードした. COVID19禍のもとで,コミュニケーションの方法は随分…

文脈に依存した利益とコストの表現

Evo-mechoモデル(McNamara & Houston, 2009)は,機能的アプローチと機械的アプローチを統合することを目的としている.Castellano, 2015はエボ・メチョの視点を取り入れることで,まず最適な計算メカニズムを特定し(計算理論レベル),次にそれを実装でき…

得した気分

あまりうれしくないこと*1を良い方向に向ける方法はないかと悩んでいたときに,解決方法が見つからないまま2年ほど頭の片隅に置き去りにしていた課題を解決するアルゴリズムの欠片が,かなり離れた方角から現れたのを見つけた. うれしくない事柄を一瞬忘れ…

経験に依存したLHb神経回路の改変と成熟後の行動の変容(Early-life experiences altered the maturation of the lateral habenula in mouse models, resulting in behavioural disorders in adulthood)

この論文では,外側手綱核(LHb)の神経回路が,幼若期の特定に時期の過剰なストレス経験に依存して改変されることと,成熟後の行動が変容し,不安様・うつ様行動の頻度が増えることを示した*1.ストレス下の情動と行動を繋ぐ神経回路において,成熟段階依存…

臨界期はどの様に進化するか

Panchanathan, Karthik, and Willem E. Frankenhuis. “The evolution of sensitive periods in a model of incremental development.” Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences 283.1823 (2016): 20152439. *1 臨界期はcritical periodなの…

深く掘る

雷雲は去った 実習が終わって,まとまった時間がとれるようになったので,たまっていた論文を片っ端から読んでいると,その中の1つの論文に「こいつ頭いいなあ」と思わず独り言を言ってしまった.同じことを考えているのかと恐れたが,方向が違うのでむしろ…