少ない資源

資源が少ないときは,目の前の生存機会を獲得することに寄与する形質が,個体の適応度の増大に寄与する割合が大きいと考えられる.そのときに環境の変化に対応する形質(表現型可塑性)のコストを払うことは負担になり適応度の増大に寄与しない,ということを考えて実験をしたりしているのだが,何とはなしに大学ファンドなどを考えた.

社会的に実装することを優先して,経済的な効果にリンクしにくいことの優先順位を下げるのは,資源が少ない場合に表現型可塑性のコストを払えないことに似ている.現時点で資源が少なく,将来に資源が増える見込みが小さいので,選択と集中が前提にならざるを得ず、環境の変化に対応する分野の評価がさがり,さらに投資する資源が減少する.

科学をめぐる環境は間違いなく厳しいが,固有の事ではなく,全体の中での一つの表れである.