レポートの採点と世界の創造

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実習のなかでの発見を題材に探索をするActive Learning (AL) 科目を行っている *1.実習を活用した AL が基礎医学間の水平型統合と基礎医学臨床医学の垂直型統合のハブになることを意図しているのだが,そのレポートの採点を終えた*2
 例年は少人数グループでの発表と個人で深めた学修レポートがあるのだが,COVID-19のために,個人間接触頻度が高いグループ学修をmoodle上での討論に置き換えはしたものの,学会が移行したような,今日的なオンライン発表会までは作成できなかったので,個人レポートの提出だけにした.その結果,個人レポートのテーマは多岐にわたった.

 コピペが増えることを恐れて,これまで踏み切れていなかったのだが,レポートの提出をmoodle経由にした結果,提出物の整理や連絡の利便性は高まり,煩雑さがなくなり,内容を考える時間が増えた.文体が不自然にモザイクになっている時は気づくし,さらにiThenticateなどを使ってコストを掛ければ技術的に解決できるだろう.
 これから世界の創造*3

*1:https://researchmap.jp/hiroyukiichijo/published_papers/13231035

*2:一月ほどかかった.

*3:到達できるところは分かった.その向こうはどうなっているのかまだ理解できていない.

現実的に考える

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最近は世界を造るのに夢中になっていて,もうすぐ後期の講義が始まることも忘れていた*1.すっかり例年通りの気分で,対面型の授業をするつもりでいたが,現実的に考えると,配信の準備を並行する方が安全という気持ちになる*2

*1:医学科と薬学部,修士もあるじゃないですか.

*2:他の大事な仕事と一緒になって,とっちらかりそうで,心配な気分.それぞれの優先順位を決めないと...

ピークの大きさ

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3年前に覚えた不足*1を,実体のあるアイデアに変えるのに1年かかり,さらに2年かかって論証の部分的な道筋を見つけた気持ちになっている*2.湧き上がった新しいアイデアを無視することが出来ずに,それまでのつながりとは違うことを始め,その立ち上げに苦労するのは,藪を漕いで進んでいるようなものだ.ここに至るまでにはバックグラウンドの無い分野の論文を読むのに骨が折れた*3.遅々として進まない理解と自分に失望してばかりだ.
 専門家然として「〜の立場からは」とかいう枕詞から話し始める様には決してなるまい,と思いながら来たから,少なくともその目標に向かってきたことには間違いない.けれども,向かっているピークの大きさを深く考えずに,局所の解ばかりを追求した結果,小さなピークばかりを登っているようにはなりたくない.資源と時間はあるのか.このピークをどこまで登ることができるのか.

*1:https://kapibarasenn10.hatenablog.com/entry/2018/12/31/000000

*2:最後のピースはまだ分からない.

*3:実証実験との接点を探るために,久しぶりにwetな実験の論文を再び読み始めるが,読むスピードの違いに驚いた.

出来るのは6.875日後

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10日経っていないので,全ての世界はまだそろっていない.

 そんな中で,その次の仮説を検討する為に,シミュレーション期間の短い世界を900個作るRNetLogoスクリプトを書き,追いかけてもう一台のwindowsを走らせた.こちらは一世界当たり11分だったので,6.875日で終わるはずだ*1 *2

 数日の時間があるので,風に吹かれて論述の順序を考えていたら,変数を拡げた世界を揃えると付加的な価値が生まれることに気がついた.

 「スパコンもいいけど,普通に速いwindowsがもう一台ほしい」と現実的な独り言を言った.

 

 

*1:それでもおおよそ一週間か.

*2:その後に900 世界の計算をしなければならないではないか..

出来るのは10日後

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イデアが浮かんだら,パラメーターを変えた *1世界を網羅的に生成させて *2,それぞれの世界の中の指標を計算したファイルをはき出させて,グラフを描かせる *3.それを観て,考えて,インキュベートして,アイデアを磨く.

ということを続けている結果,ついつい250世界を作るスクリプトを書き,うっかりと走らせたら,一世界当たり1時間を要した*4

 少し経って考えると,終わるのは10日後だと気がつき,「スパコンほしいなあ」と独り言を言った.

*1:

rnetlogo.r-forge.r-project.org

*2:

ccl.northwestern.edu

*3:

www.r-project.org

*4:しかもこれは条件検討用世界なので,その次の世界も造らねばならなのであった.

生産者になる?

作業を手伝っていたときに,実習の班の4人のうち,3人が他の大学を卒業してから一般入試を受けて,私達の学科に入り直したヒトが,偶然にあつまっており,卒業したときの進路のこととか就職活動や就職の話になった.A君は就職して数年働いたあとに,B君とC君は学部の卒業時に,二度目の入試を受けて,ここにやってきたのだった.
 臨床実習中の学生が,徐々に近づいてくる学生の終わりと研修を意識*1しだしたことを聞いていたので,ふと,「大学を卒業するときに,学問の生産者になることを考えたことはなかったのかい?」と質問を投げかけてみた.
 在学中は,これまでに蓄積された事実と知識の体系をなぞって受け入れる*2のだが,ほとんどのヒトは卒業時にはその体系を実践する*3側にまわって,社会に還元する仕事に就くのだろうけれど,もっと多くのヒトが,知識の体系の生産*4者になって,新しいコンテンツを付け加えたり,修正したりすることを考えたらいいのにと,常々,感じていたから.
 「考えたことなかったです」というA君の言葉を聞きながら,かつての自分はどうしてこうなったのかと考えたら,臨床医はとても無理で,どうやったら生き続けていけるか右往左往した末のことだった,と思い出した.

*1:ヒトによっては混乱していく様子を知っていたので,

*2:身につける

*3:研修するってことかな.

*4:研究

「こんなの絶対つかわないと思っていたんですけどねぇ」

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研究室でひと月を過ごしたT君は,ホワイトボードに書かれた微分方程式をみて,「こんなの絶対つかわないと思っていたんですけどねぇ」と感慨深そうに言ったので,ついつい「ほんとにねェ」と心の中で繰り返した.
 そんな式を頭の片隅に置きながら,実習したり*1,オンデマンド用の講義動画にBGMを入れたり,状況が悪化した場合の対応策を考えたり,スクリプトを書いて計算したりしていたが,アイデアがないまま,数週間が過ぎた.
 周辺のこまごました仕事をやっつけて,頭に力を入れて一週間過ごした後,いつもの場所に行って風に吹かれたり,ぼぉっとしているうちに,解決策の尻尾*2を捕まえたつもりになって,気分が良い.

 勘違いかもしれないけどね.

*1:終了後二週間

*2:これでよいのかもしれない