同じ様式

スクリプトを作ることができないので手作業でデータの形式を整えている間、博士課程の時に毎日キメラ胚をつくる脳の手術の実験を行っていた時のことを思い出していた。

 細かい作業は単純な繰り返しで、創造的なところはなかった。誰もできなかったことを明らかにすると期待していたが、終わるまではわからなかった。その繰り返しで私の研究生活は始まった。

 これまでいろいろな実験をしているが、その様式は似ている。単純な作業を繰り返して実験を積み上げて、ジリジリと前に進むような結果を蓄積して、違う場所にたどり着く、そんなスタイルを繰り返している。21世紀にそんなことをやろうとは思うヒトはいない、と言われたこともあった。

 最近の実験と解析も同じだ。ヒトはなかなか変わらない。それは私も同じだ。