「三苫の一ミリ」と対面会議


先ごろ、日本がスペインを破りグループを突破した時*1、田中碧のゴールをアシストした折返しがゴールラインを割っていないことはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)*2で確認された(三苫の一ミリ)*3。従来ならラインを割っていたと判断されていたかもしれない。

 認識されないものは証拠がないので、ないことにされるのは合理的ではある。けれども、技術の進歩が認識されるものを増やすので、それまでわからなかったことやなかったコトにされていたものが認識されて考慮されることが起きる。VARが影響を与えて、プレーのスタイルが変わるかもしれない。

 そんな中、私の参加するいくつもの会議はこれまで遠隔で行われていたのだが、およそ一年半ぶりに、対面の会議があった。特に発言するわけでもなく話を聞いていて、対面型ではこれほどまでにNon verbal communicationが飛び交っていたのかと、妙に感心してしまった。そこでは、誰と誰が共感しているか、していないかや、参加者の距離がどれほど近いか、離れているかを感じ取ることができた。そして、そこでは、以前の遠隔の会議でモニタ越しに激昂したヒトが満足そうに話しいていた。遠隔会議ではTeams*4が流れるモダリティをfilterのように制御して、画面の上の画像と音以外を省くので、結果的に情報を選択していたのだった。なくなっていたものが再び目の前に現れた対面会議は懐かしかったが、情報量の多さに私は辟易していた。