二度目

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 母校のFDに呼ばれて,講師をした.実は卒業後に大学に入るのは二度目だ.

 一度目は,アカデミックポストを探していたポスドクのときで,学会などで知っていたヒトがいれば,そのほとんど全てのヒトに手紙*1を送っていた頃で,学生の時に習った先生が,セミナーに呼んでくれたのだ.ところが,札幌に着いて会うやいなや,「ここには職はないけどね.」と言われて,「そんなことなら,手紙で断ってくれた方が,交通費がかからなかったし,他の所を回るのに時間が使えたのに,,,」とその時は思って,60分のセミナーをしたのだった.今になって考えると,就職先がないことに気を遣ってくれていたのだろう.

 それから24年経って訪れた大学には,新しい校舎が建てられていた.1階から4階まである吹き抜けをのぞむベンチには学生が座って,スマホをいじったり,話をしたり,本を読んだり,思い思いに過ごしていた.彼らは30数年前の自分?と一瞬思ったが,おそらく違う*2 *3 *4

 ずいぶんと長い時間が経ったが,真新しい講義室で話をして,質問に答えた.それは誰かの役に立っただろうか?*5  *6

*1:当時はE-mailはまだ一般的では無かったので,Air mailだった.

*2:FDのあと,当時の同級生ら数人と食事をして,「今,何やっているの」と聞かれて研究内容を話したら,ポカン (゜ロ゜).

*3:どうやら時間や空間ばかりでなく,ずいぶん遠くにいることは間違いないらしい.

*4:私はその時に必要としていたことを得るために,外に出たのだった.

*5:そうだと良いのだが,,

*6:札幌から戻って最初にしたことは,共同研究者とのSkype meetingだった.