入力と出力の場所と方向が違う

まだ,研究と教育について考えている.

 私達はx軸(時間 t)の中程に位置し,過去と未来を繋ぐ途中に立っている.過去に明らかになった事実を入力として取り入れ,研究は新しい知見を追加して未来に出力する.教育は確立されたコンテンツを次世代に出力し,継承する.過去から未来に流れていく研究と教育のコンテンツの総体が,学問(たとえば医学).私達の研究と教育は,学問の過去と未来を繋ぐ関数.

 他方で,医療は直交するx軸上のある時点で,y軸上の有る点から持ち込まれ入力する事象で,そちらの方向へ(y > 0の方向へ),または他の方向へ(y < 0の方向へ)解決を出力する.医療は事象に対して解決を返す関数.x軸上の位置(t:時代)によって入力と出力の関係が変わり,医学の変化にともなって医療が変化する(図1).

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図1

  医学と医療は直交していて,交点で相互作用している.入力と出力の場所と方向が違うから,これほどまでにテイストが違うのだろう,と暖かい冬の午後に考えた*1

 

*1:医学と医療の直交する座標軸は,一般的な学問の基礎的な側面(x軸)と応用的な側面(y軸)なのだな,と気がついた.