腰三角の構造

S君から質問が来た.
S君>質問なのですが、イラスト解剖学第9版の68ページにて腸骨稜、広背筋、外腹斜筋で囲まれる腰三角の説明が載っていたのですが、ここの説明がヘルニアの好初部位となっていました。好初部位という言葉の意味が分からず、調べてみたのですが結局分からない状態です。好発部位とはまた異なるのでしょうか?また、この部位は後腹膜でのみ覆われた部分なのしょうか?

>>腰三角(下腰三角)でおきる腰ヘルニア(下腰ヘルニア)は稀に起きるヘルニアだそうです.そのため,イラスト解剖学では好発部位という言葉を避けたのかも知れません.好初部位という言葉は私も余り聞いたことがありませんでしたが,「好発」という言葉を避けて,代わりに使ったのかもしれません.


>腰三角の断面がいまいちよく分かりません。
表皮、真皮、皮下組織、筋層(内腹斜筋)、後腹膜といった順に深層へ向かっているのでしょうか?

 >>https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjgs/45/5/45_45.566/_pdf

*1

のFig2の写真の右下腰三角(写真の左側)に腸管の逸脱(ヘルニア)が見え,左下腰三角は正常構造が見えます.それを見ると,表層から表皮,真皮,皮下結合組織,横筋筋膜,壁側腹膜ですネ.(その向こうは腹膜腔).

>腹部には多くの薄いシート状の筋肉があるイメージであったため、腹橫筋や内腹斜筋にぶつからない部分があることに驚きでした。たしかに他の部位に比べて腰三角は脆弱そうですね。

*1:杉本卓哉,三毛牧夫,草薙洋,加納宣康,下腰ヘルニア嵌頓の 1 例,日本消化器外科学会雑誌.2012;45(5):566-571