攻撃と防御の相互作用,二番の強打者と先発投手オープナー

New York Yankersの強打者デレク・ジータは二番を打つことがあったが,これは打線のつなぎを重視する二番打者の伝統的な役割とは異なる事だった*1.同様の起用はアーロン・ジャッジ*2マイク・トラウト*3にもみられ,二番に強打者を置くことは,新しい戦術*4とみなされる.近年はNPBでも坂本勇人*5大田泰示*6などの長打力のある打者が二番で起用されることも多く,筒香嘉智*7が二番を打つこともある.

 他方で,球威のある投手が初回だけ登板するオープナーという戦術がある.これは,二番の強打者の攻撃力に対応した防御として理解できる*8

 影響を及ぼしあう種間の相互作用の結果,形質の遺伝子頻度が双方で変化することを共進化という.捕食者の攻撃形質の進化が被食者に選択圧を加えて防御形質の進化を引き起こし,翻って捕食者の形質が進化する進化的軍拡競走はその例である*9

 野球で観られる戦術の相互作用は遺伝子頻度の変更を伴わないので,共進化ではなく,進化的軍拡競走ではない.軍拡競走そのもの,広い意味での適応.