非対称な海馬

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左右性は私たちの研究室のメインテーマのひとつです.海馬の左右性を構造と機能,行動の観点から包括的にアプローチしている,理研から名古屋市立大学に移られた篠原さんのセミナーを開きました.CA1 pyramidal cellは非対称な入力をapical dendritesとbasal dendritesに受ける事で,左右の情報を比較している,と理解.とすれば入力を受け取る領域はsegregateしているし,それは遺伝的に規定されているはずです.その基盤の上に経験依存的な機構が載っているはずです.複雑さを解きほぐす事を通じてしか,その先の理解にはたどり着かないから,目先の単純さに飛び付く事を避けて,忠実に向き合うことが重要と思ったのです.そして海馬の非対称性を生み出した選択圧があったはずです.それは外界の空間的な非対称性では無かったに違いない.その適応度地形を鳥瞰したい気分です.