Ioannou, C. C., Rocque, F., Herbert-Read, J. E., Duffield, C., & Firth, J. A. (2019). Predators attacking virtual prey reveal the costs and benefits of leadership. Proceedings of the National Academy of Sciences, 116(18), 8925-8930.
「社会行動学における長年の仮定は、リーダーシップには利益と同時にコストが発生し、このトレードオフによって集団における社会的役割が多様化することである。移動する動物群では、先頭を走る個体は捕食者に狙われやすく、リーダーシップの主なコストは捕食であると想定される。しかし、その実証的な証拠は限られており、実験的な検証は全く行われていない。観察研究に伴う交絡効果を避けるため、我々はリーダーシップの捕食コストを直接評価するために、実際の魚類捕食者に対する仮想被食者のシミュレーションを提示した。その結果、他者を率いる被食者は、集団の中央にいる被食者よりも大きなリスクを負っており、率いることの利点が捕食コストによって相殺されている可能性があることが確認された。しかし、重要なことは、単独で行動する被食者に比べて、他者を率いる被食者は襲われる可能性が低く、フォロワーはリーダーに安全上の利益を与えるということである。また、捕食者は孤独な個体が多いときに優先的に攻撃することがわかったが、この効果は攻撃中の孤独な被食者を攻撃する選好性に比べて比較的弱かった。被食者の外見や行動を正確に操作・制御できる仮想被食者を用いて、孤独から社会的戦略への追従に至るリスクの階層を明らかにした。この結果は、目標志向の強い個体（リーダー候補）は、集団の結束を維持するために選択的な圧力を受けており、集団の分断よりも効果的なリーダーシップを優先していることを示唆している。この結果は、集団におけるさまざまな社会的役割の進化と維持を理解する上で、重要な意味を持つ。」
それじゃあ、一匹狼のコストとベネフィットはなにか？
