いちばん好きなのは,あかね*4,秋に少しだけ売り出され,見つければ必ず買っていた.小さく深紅で酸っぱい.すぐに店頭から消える.郷里を離れてから売っているのを見たことはない.一度だけ,つくばの小さなコーヒーショップで,あかねのアップルパイを食べたことがある.その時,あまりの珍しさにおどろいて,店主に尋ねたほどだ.そんな思い出だけである*5.次ぐのは紅玉.これは近所のスーパーマーケットでも売っている*6.あかねに似て酸っぱい.あかねと紅玉は皮をむいて食べる林檎ではない.そのまま囓る.同じ時期に出る秋の林檎のつがるもよい.歯触りが柔らかい.ふじとサンふじは甘くておいしい.どうやら自分は赤系がすきなようだ.青系は,ちょっと気分を変えたいときに食べる.
昨日,少しだけ店頭に並ぶ旬も終わりの紅玉と山積みになっているサンふじを見比べて,もう冬が始まったからサンふじを買った.その横で山積みになった蜜柑もとてもひさしぶりに買った.小さくて固い和歌山の蜜柑.
休日の朝,コーヒー豆を挽くあいだ,サンふじを丸かじりするのは少し気が進まなかったので,林檎の皮をナイフを使ってむく手間を惜しんで,蜜柑を一つ手にとり,手で皮をむいて食べた.強烈に甘く少し酸っぱく,みずみずしくて驚いた.思えば蜜柑はずいぶんと食べていなかった*7.
そんなわけで,今朝は次々と蜜柑を食べている.