上腕骨と腕神経叢

 上腕骨の骨折が疑われるとき,感覚と運動の麻痺の程度と局在を調べることが,骨折の場所と深刻さを類推する手がかりになるかもしれない.腕神経叢に由来する主要な神経のうち,腋窩神経と橈骨神経,尺骨神経は上腕骨のそばを走行するので,上腕骨が骨折したときに巻き込まれて傷害される恐れがある.それぞれは異なった場所で上腕骨に接している.腋窩神経は外科頚に,橈骨神経は骨幹部の橈骨神経溝に,尺骨神経は肘関節の内側のそばの尺骨神経溝に接して走行する.それぞれの神経は上腕骨のどの場所が骨折したかに強く影響される.腋窩神経が支配する三角筋の緊張の程度(腋窩神経),手掌の親指側(橈骨神経)や小指側(尺骨神経)の痺れなどの異常感覚や感覚の消失を調べることが助けになるかもしれない.

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*1:Henry Vandyke Carter in Henry Gray (1918) Anatomy of the Human Body (See "Book" section below) Bartleby.com: Gray's Anatomy, Plate 107

*2:Henry Vandyke Carter in Henry Gray (1918) Anatomy of the Human Body (See "Book" section below) Bartleby.com: Gray's Anatomy, Plate 208