こういう方法を再構成実験と言う

助手(今で言うと助教)のMさんは,こういう方法を再構成実験と言うんだよ,と教えてくれた*1 *2 *3 *4.記載的な研究の向こうにいくには,仮説を手掛かりに突き崩していくほか実験的な方法はなかった.どれほど良い仮説をもつかが成否を分けた.典型的な仮説駆動型の研究だが,当時はデータ駆動型研究は無かったので,わざわざ分けて言う風潮は無かった.当時の私がなんだかカッコイイと思ったのは,脱構築と再構成の仕方だった.
「興味を持った論文が見つかったら,さかのぼって同じ著者の論文をよんでみるといいよ,そうすれば,著者が考えた筋道を追うことができるし,考え方の勉強になる」と生化学のA教授はその先を教えてくれたので,さかのぼっていき,そしてその後に発表される同じ著者の論文を追いかけるようになった.
 

*1:彼は大学院生の時にごりごりの生化学の再構成実験で,新奇のアクチン結合タンパク質を精製していた.

*2:Mimura, Naotoshi, and Akira Asano. "Actin-related gelation of Ehrlich tumour cell extracts is reversibly inhibited by low concentrations of Ca2+." Nature 272.5650 (1978): 273-276.

*3:Mimura, Naotoshi, and Akira Asano. "Ca2+-sensitive gelation of actin filaments by a new protein factor." Nature 282.5734 (1979): 44-48.

*4:Mimura, Naotoshi. "STUDIES ON ACTIN-RELATED GELATION OF EHRLICH TUMOR CELL EXTRACT: A Ca^< 2+>-sensitive Gelation Factor Actinogelin." (1979).