ドライブマイカー

偶然に村上春樹の小説の朗読を聴いた。映画化された「ドライブマイカー」だった。読んだ事もなく、観たこともなく、初めてだった。この後、話はどんな結末になるのかと考えながら、ずいぶん昔に何度も読んだ初期の小説を思い出していた。

風の歌を聴け」や「1973年のピンボール」と「羊をめぐる冒険」を夢中になって読んだ。「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を読み終えたあと、何かが変わってしまったことを感じ、もうそれ以前には戻れない事を漠然と理解した*1。後の作品を読む事はなくなった。もしかしたら、と思って読んでも、同じように感じるだけだった。

朗読は終わった。もう戻る事がない事を、もう一度確認しただけだった。

*1:けれども、これは作品が変わったというよりも、私が変わったためなのだろう。