解剖実習手引きの補足説明のプリントで甲状頸動脈がthyreocervical trunkとなっていますが、「解剖実習の手びき」の方では英語でthyrocervical trunk、ラテン語でtruncus thyreocervicalisとなっています。プロメテウスなどの文献でもこの表記でした。つまりラテン語のthyreo-と英語のthyro-が混ざっていると思うのですが、thyreocervicalの表記でも正しいのでしょうか。
現在、上記のような名称にかなり苦戦しながら勉強しているのですが、日本語名、英語名、ラテン語名は一度に覚えるべきでしょうか。その他、予習に関してアドバイスをいただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
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という質問がきたので,
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>>きいてくれたおかげで,以下の蘊蓄を傾けることができます.(一昨年は聞いてくれた人がいたおかげで,話す機会がありました.昨年はいなかったな.)
thyreocervical trunkは英語で言えばtypoですが,直さずに残しています(怠惰という説もある).
解剖学用語のオリジンはラテン語で,英語名(強いて言えばどの言語も,eg 日本語,ドイツ語,フランス語etc)も,それぞれの言語の外来語表記で,カタカナで外来語を表記する事に相当します.
>英語でthyrocervical
はラテン語の
>thyreocervicalis
を輸入するときにeが失われたのだと思われます.(カタカナで英語を書くとき,音が失われたりしますよね)それを私はそのまま書きました.英語では語尾の活用とか本来とは変わったまま(ラテン語としては間違いの形で)使用されているところが多くあります.
そんな事を↓に書きました.
>現在、上記のような名称にかなり苦戦しながら勉強しているのですが、日本語名、英語名、ラテン語名は一度に覚えるべきでしょうか。
>>英語は覚えるべきです.
学生のうちは日本語の情報でも事足りますが,行く先ではそうでもありません.英語の文献を調べたり,論文を書いたり,口頭で発表したりするのは当たり前です.(私の研究室のセミナーは英語です.)将来,時間に追われている時になって初めて英語の用語を知るのでは手遅れです..
ラテン語を理解しておけば,実は英語を覚えるよりも効率が良かったりします.好きにしてください.ラテン語の発音には苦労すると思います.現代イタリア語に似ているはずですが,そこまで凝る必要はありません.それぞれの言語の人々はその言語風に読みます.だから,ラテン語の単語を日本語風(ローマ字カタカナ風)に読んでOKです.自信満々にカタカナ読み(そうすると和風のラテン語になります.).皆さんの中には英語の得意なヒトがきっといて,発音も上手ですが,ラテン語を英語風に発音するのは英語話者風であることで,特に正しいわけでもありません.
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と返信したら,
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最初typoが分からず??となりましたが、意味が分かり笑わせていただきました。
日本語で言えばバイオリンと書くかヴァイオリンと書くか、といったニュアンスですね。
英語名の方もほとんどラテン語名と関連していることを考えると、理解が進むというのはとても納得出来ます。語源などからの関連で覚えるのは面白いですね。個人的には「上腕の」を意味するbrachio-は恐竜のブラキオサウルスと関連付けて覚えました。
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という返事が来た.