手塚治虫と村上春樹

文庫本を買った。
 一冊は手塚治虫のアンソロジー;「ブラックジャック」「どろろ」や「三つ目がとおる」その他の短編を一つのテーマに沿ってまとめたものだ。ブラックジャック少年チャンピオンに連載されていた頃、リアルタイムで読んでいたなあ。その時に読んだなあ、これ。もう一冊は村上春樹の短編をまとめた文庫の新刊。その中で、60‘sの高校生の主人公がパナソニックトランジスタラジオで音楽を聴いている。その頃はNationalブランドだったと思って調べたら、輸出用のブランドがパナソニックで、国内向けがNationalだったらしい。二つの可能性を考えた。一つ目、著者がNational を知らない読者に配慮して事実を変えて表現した。二つ目、主人公は逆輸入の製品を使っていた。ありそうなのは、実は前者で、後者の効果、裕福な人達のスノッブな話のイメージも期待した、だろう。
 外に出たくなるような少し暖かく空の青い午後だったからか、近所の書店に立ち寄ったら、多くの人が本を見ていたので、フラフラとつられて買った。一日で二冊読んだのは久しぶりだ。