2020-07-06 ラーメン・涙とマイボーム腺 構造と機能 Henry Vandyke Carter / Public domain https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gray893.png Sagittal section through the upper eyelid. (After Waldeyer.) a. Skin. b. Orbicularis oculi. b’. Marginal fasciculus of Orbicularis (ciliary bundle). c. Levator palpebræ. d. Conjunctiva. e. Tarsus. f. Tarsal gland. g. Sebaceous gland. h. Eyelashes. i. Small hairs of skin. j. Sweat glands. k. Posterior tarsal glands. まぶた(眼瞼 eyelids)の中には瞼板 tarsus という膠原線維の板がある.瞼板の中にはマイボーム腺*1という,外分泌線が埋め込まれている. 涙は三層の構造を有している*2.結膜の杯細胞が分泌するmucinの層が角膜に接して有り,角膜の表面を親水性に保っている,その上に,涙腺から分泌される水溶性の溶液の層が角膜を覆う.最も表面にはマイボーム腺から分泌される脂質が,涙の表面を覆う油膜となる.油膜は涙の蒸発を防ぐ*3. この話を講義でする時,生まれ育った街を思い出す*4 *5 *6 *7. *1: en.wikipedia.org *2:液体なのにね. *3:マイボーム腺の機能不全がドライアイと関係することは想像に難くない. *4:生まれ育った極寒の街に古くからある店のラーメンは,熱い厚いラードがスープの表面を覆っているので,湯気が立たないことで知られている. *5:その後,店は有名になり,新横浜のラーメン博物館にも,一時,店を出した.その店の製法を模した袋麺を購入することもできる. *6: ja.wikipedia.org *7:それを食べていた頃は,自分の街のことしか知らなかったので,世の中の全てのラーメンはそういう物だと思っていた.